スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック/ジェームズ・ドゥティ

おススメしたい人

  • マインドフルネスの具体的な実践方法と効果が知りたい人
  • 引き寄せの法則をスピリチュアルな観点ではなく脳科学の観点から知りたい人
  • 生まれた環境による影響で人生が上手く行かない人
  • 自分にはどうにもできない不運な出来事により人生が上手く行かない人
  • 心が傷ついている人
  • 先の見えない未来に対して不安を感じている人
  • 自己肯定感が低い人

深く共感し、感動、勇気をもらえる本

こんなに深く共感し、感動、勇気をもらえた本に私は初めて出会いました。
この本は著者であるジェームズ・ドゥティの実話です。映画になってもおかしくない程の劇的な人生の物語。
アメリカのさびれた田舎の貧困かつ機能不全家族で育った著者が、少年時代に1人の女性ルースと出会ったことで人生が好転していきます。
ジム(著者)は辛い子供時代を乗り越え、夢だった医者になり、さらには億万長者になります。
しかし、そこから全てを失くし、どん底を味わいます。再び復活できたのはかつてルースが教えてくれたマジックを本当の意味で理解できたからです。

この本のタイトルになっている「人生の扉を開く最強のマジック」とはマインドフルネスのことです。
著者は少年時代にルースからマインドフルネスを教えてもらいます。
子どもは環境を自分で選んで生きることはできません。
ジムが不遇だった子供時代を乗り越えることができたのはマインドフルネスを子供の頃からやっていたからでした。

著者はマインドフルネスをやり続けて夢を叶える

ジムはルースが去った後も毎日ルースから教えてもらったマインドフルネスをやり続けます。
そして、生まれが貧しい、家族が機能不全である、という困難を乗り越えジムは子どもの頃からの夢だった医者になります。それも医者の中でも難しい脳外科医に。
マインドフルネスを毎日やり続けたからといって、少年時代のジムの環境は変わったわけではありませんでした。
相変わらず家庭は貧しく、父親はアルコール依存症。そして母親はうつ病。
でも周りの状況が変わらなくても、ジム自身に困難を乗り越える力が身に付いていました。

心に響く言葉がたくさん書かれている

心の傷についてルースがジムに贈った言葉があります。

「他人を傷つける人こそ、いちばん深く傷ついているの」 p86

「心の傷も同じよ。注意を向けてあげないと治らなの。そうしないと、傷が痛み続けるわ。ずっとそれが続くこともある。誰でもかならず傷つくの。そういうものなのよ。でも、傷や痛みにはすごい目的があるのよ。心は傷ついたときに開くものなの。痛みを通して人は成長するの。難しい経験を通して大きくなるの。だから、人生で出会う困難はすべてありがたいと思わないといけないの。問題がない人はかわいそうだわ。困難を経験しない人はかわいそう。そういう人は贈り物をもらえないの。マジックを体験できないのよ。」 p82

心に傷を負うのはとても辛いことですが、ルースはポジティブに考えています。
他にも心に響く名言がたくさんあるので、ぜひ本文をチェックしてくださいね。

私自身も田舎の貧困かつ複雑な家庭環境で育ったので共感できる

本の中でジムは子供時代の感情を述べています。

「自分が負け犬で、人生なんて運ですべてが決まる不公平なものだと思っていた。」 p115

「子供がつらいのはそこだ。誰かに頼らないと生きていけなくて、それはどうすることもできない。ほかの人の選択によって深く傷つき、その傷がいつまでも残ることもある。」 p119

「子供にとって、指導してくれる人やアドバイスをくれる人がいるかどうかは、人生の成功を左右する。わからないことはやれない。」 p123

「父さんや貧乏や僕が持っていないもののせいで、人は僕を見下すんだとずっと思いこんでいた」 p126

この感情や考えに私は深く共感しました。それは私もジムと同じく田舎の貧困かつ複雑な家庭環境で育ったからです。
ジムや私と同じような環境に育った方はこの感情に共感できるのではないでしょうか。

そんなジムにルースはこう言います。

「人はみんな、人生で何を受け入れるかを自分で選んでいるの。子供はあまり選べないんだけどね。家族や生まれた環境は選べないし、それはどうすることもできないわ。でも大人になると、選んでいるの。意識することもしないこともあるけれど、自分をどう扱うかを決めているのは自分なのよ。何を受け入れるか?受け入れないか?選ばなくちゃならないし、自分のために立ち上がらなくちゃならない。それができるのは自分しかいないの」

子どもは家族や生まれた環境を選べないけど、大人になると選べるようになる。だから、生まれのせいで諦めるのはダメと勇気をくれます。

ルースの4つのマジック

ルースが教えてくれたマジックとはどんなものなのでしょうか?そもそもマインドフルネスとは?
マインドフルネスとは、「余計な評価判断を手放して、あるがままの『いま」に注意を向けている状態であり、『いま』にしっかりと気づいている状態」をいいます。 p239
詳しいやり方は実際に本を読んでほしいのでここでは書きませんが、本の中では4つのマジック=マインドフルネスについて書かれていました。

マジック1. 「からだを緩める」
ボディスキャンと呼ばれる瞑想で自己認識力を高める

マジック2. 「頭の中の声を止める」
マインドフルネスの基本で雑念を静める

マジック3. 「心を開く」
慈悲の瞑想とも呼ばれ、他者への思いやりや共感を高め、目の前の人や出来事をあるがままに受け入れる

マジック4. 「なりたい自分を描く」
自分の理想像を鮮明に描くことにより、実行可能にする。また、自己肯定感を高める。

実際にマインドフルネスをやってみて

いままで自己流でマインドフルネスをやっていたことはあるのですが、効果があるのかないのかわからなかったです。多少は効果あるかな~程度でした。
ですが、この本の4つのマインドフルネスを始めてまだ1~2週間ですが、実際にやってみると次のような効果を実感しました。

  • 頭の中にポンポン浮かんでくるいろんな考えを静めて今に集中しやすくなる
  • 他人に心を開く瞑想をすることにより、過去の心の傷にとらわれにくくなる
  • なりたい自分を描くことにより、将来に対する不安が静まり、自己肯定感が高まるのを感じる

マインドフルネスを本当にものにするには数週間~数カ月かかると言われています。
1~2週間で既に効果を感じているので、この先も続けていくことでさらなる効果を期待できそうです。このまま継続していきます!

著者は共感について研究している

ジムは医者になり、その後実業家としても成功し億万長者になります。しかし、その後すべてを失います。
すべてを失ったあと、ルースの教えてくれた一番大切なマジックは何かに気付きます。
それは「共感」です。共感には自分の心の傷だけでなく、周囲の心の傷を癒す力があります。
ジムは共感の持つ力について今も研究しています。

感想

一人の人間が逆境から立ち上がり、夢を叶え、すべてを失い、そこから人間が本来持っている力の凄さに気づく。壮大なストーリーです。
この本を読んで著者の子供時代の感情に深く共感した私も、共感がもたらす力を実感しました。
自分が感じた傷や痛みを人に共有することは大事なんだと強く思いました。
私も自分自身の経験した辛い出来事を人に伝えていこうと思います。

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